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雰囲気の建築学
ツムトールは『建築を考える』と『雰囲気』で自らの核となる信念を述べている——建築の第一の任務はイメージを作ることではなく、知覚の条件を創り出すことである。「空間に入るとき、私が最初に感じるのは温度だ。それから匂い。それから素材に落ちる光の具合。これらは私が建築の形状を理解するより前に、数秒のうちに起こる」と彼は言う。知覚を知的把握の前に置くこの立場は、彼の建築学を視覚中心の主流の言説から引き離している。
ヴァルスの温泉(1996年)では、ツムトールはこの雰囲気理論を極限まで推し進めた。建物は地元の珪岩(クォーツァイト)を層状に積み上げて作られ、石のテクスチャーと温度が水との関係に応じて変化する——プールサイドの濡れた石肌は深い光沢を帯び、水面から離れた壁は乾いた銀灰色を保つ。湯気が光のなかを漂い、音は抑えられ、各浴槽は独立した感覚的世界となる。これは建築を「見る」ことではなく建築の「なかに住む」ことについてである。




